★以下、ネタバレ(過去作も)を含みます★
★ネガティブな内容を含みます★
※ネガティブなことを書いていますが、好きだからこそというところです
◆感想1はこちら
以下は、ミノル編の感想、および、全体のことを書いていく。
黒い背景のエンドロールが流れ終わると、空木先生から電話が…
ここでタイトル画面が「ファミコン探偵倶楽部 笑み男」からくるっと「
ファミコン探偵倶楽部 ミノル」に変化。
◆やっぱり都筑実が犯人なのかぁ・・・
峠の小屋で久瀬兄妹を襲った人、つまり18年前の事件の犯人が実ではない、と信じたかった気持ちが打ち砕かれる。
タイトルになっちゃうってことはなー、やっぱりミノルが犯人だってことだよね・・・
轟夫妻に合わせる顔もないし、"実は犯人じゃないはず" "何か違う真相が" "もっと深い何かが"って期待したけど結局それか…
そして始まる、アニメ…
笑み男編のもやもやをミノル編が解消してくれるのでは、期待したような展開やプレイを楽しめるのではと思いアニメを視聴。
◆残念ながらアニメでますます一方的に真相を知る、なんのために捜査をしてきたのか…
結末はこれでも仕方がないのかもしれないが、でももう少し探偵の手で明かしていくことの出来た、止めることの出来たことがあっても良かったはずだ。
消えた後継者では、探偵の介入以降3人死亡、それでも犯人は突き止めた。
後ろに立つ少女では、探偵の介入以降自殺1人、それでも犯人を突き止めた。
今回は過去・現在いずれの犯人も自力で見つけていない。
探偵が出来たことと言えば、実の潜伏先を割り出したことぐらい。それだって、警察がちゃんと本腰いれてやれば、探偵の「偶然」のような出会いによる発覚ではなくって、すぐに知れることだとも思った。
「賛否両論あるかも」という事前の話で、坂本さんがどの部分を指してそういったかのかはっきりわからないが、
やはりアニメの部分なのか、あるいは、探偵がなんでも解き明かせるわけでも救えるわけでもないことなのか。
ミノル編のエンドロールを見ながら、
笑み男とミノル、この2つのエンディングを踏まえてTrueエンドに向かうための話が始まるはずだって、
まだ何か話があるはずだ、と思ったが、でもゲームは終わってしまった。
追加されたのは、チャプター選択と音楽鑑賞だけ、うそ・・・でしょ…
Trueエンドって考えが、今のアドベンチャーに毒されすぎて過ぎているのだとしても、
だって、真相は全部誰かから一方的に与えられたもので、何もどうにも出来ていない。
なんでこんな前半と後半のペースが全然違うんだろう。
もうちょっと前半のグダグダ不要会話を減らして、事件の真相につながるパーツを少しでも手に入れられていれば、こんな感想にはならなかったと思う。
そういえば、空木先生が、なぜ西日本で調査をしていたのか、理由不明だなぁ。
知っていることがあったなら共有してくれるべきだったと思うけど。
入雲村の名前は、あとから探偵がもたらしたのだとしても、もともと山陰あたりで調査していたようだし。
◆過去作踏まえ勝手に期待していたことの結果は…
ちなみに空木先生と言えば、18年前の事件にも関わっていたということで、そろそろなぜ空木先生がこんなに警察に顔が効くのか、過去の出来事なども含めて描写があるかなぁと思ったのに、ゼロだった。18年前から探偵だったことだけはわかったけど…。
(今回は警察に便宜をはかってもらうシーンはほとんどなかったけど)
いつか空木先生目線の事件があるのかもしれないけど、過去作から通しでみても空木先生は謎の人。
これも完全に自分の願望だったのだけど、
今回の事件は時系列でいくと、
後ろに立つ少女→消えた後継者→笑み男になるのかなぁと勝手に思っていたので、
消えた後継者の後日譚というか、少しでもその後のことを知れるのじゃないかと期待していた。
が、それもなかった。
携帯の導入もあるので、笑み男が消えた後継者より後、という時系列はあっているとは思うが。
確かに誰もが過去二作をやっているとは限らず、ネタバレを避けるには仕方がなかったと思うが、消えた後継者の終わり方があんな感じだっただけに、いろいろその後どうなったのかとても気になっていた。
今回、そんな
暗い過去があることがまるでなかったかのように振る舞う探偵にも少し違和感を覚えた。探偵の境遇を思えば、誠や純子だけではなく、実にさえもシンパシーを感じる部分や、心情が理解できる面もあったはずなのに、触れたのは佐和子さんのことぐらいで残念に思った。
過去二作をやっていないと、探偵はあまり深みのないキャラクターになるのではと思うし、
探偵の人物描写にも不満が残った。探偵やあゆみちゃんはプレイヤーの目と心の代わりのはずなのに、薄い人物な感じで、おとぼけシーンのほうが目立ったと思う。
なぜ19歳にして探偵なのか、少しは触れておくべきだと思った。カミとの会話で少しだけ話すシーンがあるが、ちょっと不親切にも思った。
期待しすぎたのかもしれないなぁと思う。
ネット記事などでは海外のレビューが良いというのもちらっと目にしたので、「この後良くなるはず、良くなるはず」とずっと思いながらプレイしていた。
過去作だって突っ込みどころはたくさんあると思う。
それでも名作と言われてファンが多いのには理由があるわけで、
果たして今作を「大好きな一本」と感じる人はそれだけいるのだろうか。
今回音楽は、Switchリメイクのときと同様、「シュタインズゲート」などMAGES.まわりの音楽を多数やっている方が担当されたが、
過去作のリメイクのも以外は 「いかにもアドベンチャーの音楽」みたいな感じで耳に残るものもなく、そこもやや残念だった。
過去作との絡みもあって、あまりオリジナリティーを出すわけにもいかなかったのかなぁ。
感想1でも書いたが、ボイスは良かったと思う。
登場機会の少ないキャラでも、非常に丁寧で素晴らしい演技で、もちろん大物声優さんも多かったのだが、「そんな人いそうだよね」というキャラデザと相まって、非常に好印象だった。
また、
キャラクターについても非常によく動いていて表情豊かで、上述のボイスと相まって、アドベンチャーの紙芝居にならずに、とても良かったと思う。
ひとまず、このあたりでまとめにしよう。
開発者いわく「インタラクティブドラマ」であるという本作。
推理ミステリーを期待するとがっかりするかもしれない。
まったく楽しめないということではないがく、とにかく後半の展開には納得できないものがあった、というところ。
新しい体験を作ろうとしたのだということは十分につたわるが、過去作からのファンはがっかりするかもしれないと思った。
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以下、ミノル編のだらだら感想。
空木先生の一人称視点の聞き込み。
ここの内容については、比較的納得して視ていたと思う。
ただ、
都筑母については、少し補足が欲しかった。出ていくには夫婦しかわからない理由があったのかもしれない、でも、子供たちが後にあんなに大変な思いをしたり、えみこが死んだというのに、葬式にも影すらない。
実が少年院に行った後、出所した後、かかわりはなかったのだろうか。
実のその後に大きな影響を与えられたかもしれない母親の描写がもっと欲しかった。
それとえみこが、
村の大人に「えみお」と呼ばれていたってことだったが、無理やりそんな話にしなくても良かったと思う。映像からはかわいらしい女の子にしか見えなかったし、それが都市伝説の名前になったのもなんか無理やりな気がした。
おもちゃを買ってもらえなかった都筑兄弟が、紙袋をおもちゃ代わりにした、というあたりはわかるような気がした。
少年院から戻った実が自然と村を離れてしまったあたりも、そうだよなぁと。
そして、18年前の事件になっていくわけだけど、
最初の被害者との関係が、どーーも良くわからなかった。
被害者のほうは実に好意があったようにも見えたけど。。。
この二人はどうやって知り合って、どんなコミュニケーション取ってたんだろう?
だって
えみこだって思っていたんだよね?っていう。
でも、妹と逃げようとして失敗した話をしたようでもあるし、えみこと同一視していってのも良くわからない。もっとそれっぽい描写があったらと良かったと思う。
えみこと思うようになったのは、顔のあざをみてから?とにかくあまりこの部分は入り込めなかった。
そして、自分の顔に傷をつける描写。
轟社長からもらった餞別の使い道はこれだけで、あとはなんにもなし、こんなことに使われるなんて轟社長が不憫すぎる。
その後の2件の殺人は、簡単に片づけられて???
紙袋の違いはなんだったのか???
っていうか、この人、紙袋をかぶらなくてもものすごく目立つ人相(隠した場合の見た目だって十分怪しいし)になってしまっていたわけで、目撃者とかいなかったのだろうか。
潜んでいたのが山奥とはいえ、
誠がある程度の年齢になるまでは、身の回りの買い物とかだってしていたろうし、誰にも見られずに生活していたわけでもなかったと思うので…
事件現場付近にも歩いていったのなら非常に目立つし、
車で行ったのなら、車も見られているんじゃないのかな、
あと無免許だったんだろうけど・・・
誠が峠の小屋に連れていかれてからの18年間の生活についても、これまた突っ込みどころというか、外部の助けなしにあのような見た目になってしまったミノルと、記憶がなく中学生以降の外部の外のことも知らない誠の2人の生活が成り立つのだろうか。
誠についても、記憶をなくした直後の中学生ならやむ無しのところはあるかもだが、大人になってもミノルとの生活に疑問も持たずに従い続けるものなのか?
そして純子ENDにあった話。
(それでもまだ、惨劇を回避できるんじゃないかと心のどこかで期待もしている)
そして死んじゃった実。
エンドロール。